僕として僕は行く。

旧・躁転航路

夜が迷子

 2月に入ってから一度も就寝に成功していない。そのため日中非常に眠く、色々とパフォーマンスが下がっている。どういう風に就寝に失敗するかというと、まず、21時〜22時ぐらいに異常な眠気に襲われて眠る。ここまでは、失敗から遠く隔たれた、至って上々の滑り出しで、むしろ早寝早起の模範のような就寝時間である。しかしながらここからが問題で、24時〜26時ぐらいになると必ず目が覚める。しかもめちゃくちゃスッキリ目覚めるので、そのあと再び眠れたりということは全くない。仕方なく、再び眠くなることを願って、電子書籍なんかを読んで過ごすことにしている。媒体にかぎらず、本を読んでいると眠くなる傾向が僕にはあるからだ。しかし、その努力も虚しく、気付けば朝になっているのが毎度である。そんな風にして過ごしているうちに、青空文庫にある芥川龍之介の文章をすべて読み終えているほどである。そうやって不本意ながら迎えた朝に、なぜか僕が弟を起こし、学校にやる。その頃には自分はもう寝ても無駄というか、寝たら日中の用事が出来ないので寝ない。結果的に非常に眠いまま外出し、ローパフォーマンスでこなして、帰宅し、晩ご飯を食べる。そうすると21時ぐらいになっていて眠くなってしまい…というのを繰り返すハメになる。最悪の睡眠体験を日夜繰り返していることになる。

 この過程で一番不可解なのは、22時に寝たら25時ぐらいにカッと目が覚める点だ。この失敗を何度か繰り返して気付いた。この時間帯の睡眠のことを、僕の脳が完全に昼寝だと思い込んでいる。あの微睡むような感覚、そして急にハッと目覚めるような感覚は、明らかに午睡のそれらと同じなのだ。だから、いやーよく寝ましたね!アフターファイブも頑張っていきましょう!!!!みたいな体裁で、良かれと思って起こしてくるのだと推測できる。ありがた迷惑というか、そもそも前提がおかしいので、ありがたみの欠片もない、ただの迷惑である。一般的な人間が22時寝たらそれは明日は早起きするぞの合図だ。間違っても昼寝ではない。なぜなら22時は昼ではないからだ。そもそも、奴の中でいつまでが昼でいつからが夜なのかが皆目検討がつかないし、おそらく奴自身も全く理解していない。とりあえず睡眠と言えば全てが昼寝だと決め込んで活動しているようですらある。そうすると奴の中には夜が見つからない。夜は明らかに今なのに奴だけが夜を見つけていない。奴が見つけていないとなると、たとえそこにあったとしても、夜は迷子のままだ。このまま夜が余所の子になってしまう前に、できるだけ早く連れ帰ってほしいと、ただ願うばかりである。