僕として僕は行く。

旧・躁転航路

35.7℃

 何故だか知らないけど僕が知らない間に外の気温が35.7℃とかになっていたそうで、そんなに暑い時間帯にそんなに暑いということを知らなくて本当に良かった。35.7℃といえば僕の平熱とほぼ同じなので、僕の中に僕がいるみたいな訳の分からない事態に陥り、脳みそがおかしくなる恐れがあったためだ。というか、今、事後的に考えてみてもよく意味がわからない。外の気温と僕の体温が同じって、それどういうことなんだろう。僕が僕に包まれるとだいたい35.7℃に包まれるのかと思って自分を抱きしめてみたけれどあんまり意味がなかったし、そうしている間は他の行為が一切出来なくてかなり不便なので、やっぱり暑いというのは不便なことなのだろうなと思いつつ気付いたら寝ていた。

 ガリガリに痩せてからというものの、暑いという感じが弱っていて、なんか汗が出るなと思ったらああこれが暑いってことか、だとか、あー今日は日差しが強いなーとか思いながら自転車で遠出したら帰るぐらいにやたらしんどくなって日射病になってたりとか、そういう感じで事後的に暑がることしかできなくなってるので、35.7℃の中で外に放り出されていてもあんまり何もわからなかったんじゃないかとも思う。40℃ぐらいあると、ようやく暑いなコレ、と知覚できるのかもしれないけれど。そもそも、35.7℃が暑いなら僕は僕の体温が暑くないとおかしいし、逆に言えばみんな35.7℃が暑いとか言うのは、実はみんなの体温が33℃ぐらいしか無いとかそういう話なんじゃないのか。そりゃそんなに体温が低ければ外気温が暑いと思うのも納得できる。要するに、みんなの基礎体温が低すぎることが問題なのであって、そうやってすぐ外部要因のせいにするのはよくないし、養命酒を飲んだり、暑くても半身浴したりして、基礎体温をあげていく努力をすべきなのではないか。ケネディが就任演説で言っていた「あなたの国があなたのため に何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるのかを問うてほしい」というのはそういうことで、全部外のせいにするのは良くない。冷静に考えてみて、あなたがたの基礎体温が33℃しかないことが問題なのであって、そこの解決に向けた努力を成すことこそが先決なのではないか。ともかく、僕はそうやって周りのせいにしないですむぐらいは体温があってよかったし、名誉ある基礎体温が高い市民としてこれからも振る舞っていくことが出来るらしいと再確認できた。