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僕として僕は行く。

旧・躁転航路

Year 2015 The Best 10 Album

やっとこさ。

 

10. MIloSo The Flies Don’t Come 

毎年毎年、今年はヒップホップを聞くぞと言っていて、ようやく今年はある程度、新譜の量自体は聞けたなかで、一番よく聞いていたのがこの1枚。といっても、僕が聞ける数少ないヒップホップであるところの、カンパニー・フロウであったりカニバル・オックス(こちらの新譜も選外ではあるもののよかった)といった、いわゆるアブストラクト・ヒップホップ寄りの1枚ではあるのだけど。やってることとしては、全体として音数を使い過ぎないで、ミニマルなフレーズのループを基調に、エレクトロニカっぽいコラージュが施してあるという感じで、というかこの記事中で何回とにかくシンプルな構造+今っぽいサウンドコラージュっていう組み合わせに弱いという話をするんだという感じもするが、この1枚もそれをしっかりと踏まえた秀作。

 

 

 

 

9. Unknown Mortal Orchestra - Multi Love 

確か2013年のセカンド・アルバムぐらいの頃には僕は認知していたと思います、ニュージーランド出身のフロントマンに率いられたバンド、UMOことUnknown Mortal Orchestraの最新アルバム。いやはや、こんなにオシャレで引き出しの多い人たちだったっけ。オブ・モントリオールを彷彿とさせるカラフルなポップスあり、プリンスかというようなブリブリのファンクあり、ウィルコかと思うような抑制の聞いた3分間ポップスありの、とにかく楽しめる1枚。

 

 

 

8.The Pop Group - Citizen Zombie

このアルバムの評価が随所で高くないのがびっくりだな。確かにこの手のリバイバルは基本的にスベるものだし、みなさんも多分その系譜なんだろうと言いたいのだろう、僕も現に全く期待せずに聞いたし。でも実際のところめちゃくちゃ良いんだからビックリしちゃった。彼らのバックボーンであるダブやファンク、そして何よりも煽動的なメロディをちゃんと失わずに活かして、かつそれらを現代的なディスコ的なアプローチとサウンドコラージュで料理しました、といった感じの1枚。うーん書いてて思ったのが、このうち後者の部分、すなわち、モダンなサウンドプロダクションが、往年のガチニューウェーブファンにとってはハマらないのかもしれないな、とか。でもそんなこと、僕の知ったことじゃないし。ワクワクするものはワクワクするし。

 

 

 

 

7.Holly Herndon - Plat Form 

いやこのアルバムには騙された。まさかこんなクソダサジャケからこんなにめちゃくちゃかっこいいIDM/エレクトロニカが聞けるとは思いもしなかったのだ。ホリー・ハーンダンはどうやらミュージック・プログラミングでスタンフォードの博士号を持っているという話で、2012年にはデビューしていたとのこと。ミュージックプログラミング、Max/MSPIDMといった形容だけを聞くと、オウテカのようなハードで難解なものを想像されるかもしれないが、この作品はそういったイメージよりもずっとリスナーフレンドリーだ。もちろんIDMと名前のよく似たEDMのようにみんなでシンガロングしたりダンサブルであったりというわけではないが、単純にで生成された音だけの羅列というわけではなく、そういったものをベースにしつつも、キャッチーなコーラス・ワークも随所にあるし、様々な装飾やコラージュがこれまた憎らしい具合に配置されている。ここ数年、急激にIDM系のリリースが増えて、ちょっとしたリバイバルが起きているといった状況のなかではあるが、そういった数いるIDMレジェンドの新譜の中に並んでも一際印象深い一枚だったと言えるだろう。余談だけど、このアルバムをリリースしているRVNGというレーベルが面白そうなので掘っていきたい。

 

 

 

 

6.Morning World - Teen Daze

な、何者?なんという流麗なコーラス・ワークなんだ??だなんて思ってましたが今作で4枚目になるというわけで実は結構キャリアのあるTeen Dazeの1枚。一時期フリート・フォクシーズなんて流行ってたりしましたが、ああいう感じとはまた別の、サイケ期ビートルズのような感触を覚えちゃうようなコーラスがとにかくツボ。ジャンル的にはドリーム・ポップにあたるそうだけども、もうこうなるとドリーム・ポップって何でもありなんだなという感じはするけど、僕としてはもうちょっとシンプルにサイケだったりとか、ネオアコ・リバイバルの瑞々しさを思い出したりとかする、タイムレスな1枚。

 

 

 

 

5.The Go! Team - The Scene Between

この人らもう10年選手になるんですね。イギリスの2004年デビューのポップバンド。なお、日本人の女の子のメンバーがいたりして少し話題にもなりましたが既に脱退済みとのこと。これまでの彼らのポップさはそのままに、ちょっとノイジーに、そしてずっとオシャレに進化。特に目新しいことをしていたりするわけじゃないんだけど、メロディワークと総合的な完成度の高さは群を抜いた珠玉の1枚。いや本当によく出来たアルバムなんだけど、それゆえに特に言うことないんだよな。

 

 

 

 

4.Bashed Out - This Is The Kit

ケイト・ステイブルさんと、WHALEBONE POLLYというバンドではグラストンベリーなんかにも出たらしいレイチェル・ダッドさんがタッグを組んだThis Is The Kitの2枚目のアルバム。Judee Sillなんかが引き合いに出されたりもするのもわかるような、非常にクオリティの高いソングライティングあって、それを下敷きにしたセミアコやピアノ、バンジョーやを基調にしたシンプルな弾き語りなんだけれど、このアルバムの魅力はそれだけじゃなくて、Radioheadキッズの皆さんの琴線がそっと撫でつけられて「あーコレそりゃ良いわ…」と思わず嘆息してしまうような、音響効果っぽく入ってくるストリングだったりシンセだったりギターだったりがめちゃくちゃ気持ちいい。

 

 

 

3.Fake Palms - Fake Palms

カナダはトロント出身のバンド?ソロ・プロジェクト? Fake Palmsのデビュー・アルバム。ガレージだとかポスト・パンクだとかいろんな形容がなされてるみたいですけど僕はここにSonic Youth無き現在の最新型ノー・ウェーブをめっちゃ感じました。個人的によりノー・ウェーブを感じたのはViet Congなんだけど、あっちがもうちょいアートっぽい方面に寄ってるとしたら、こっちはもうちょっとキャッチーな方向に振れてる印象で、あえて言うならソニック・ユースジョイ・ディヴィジョンテレヴィジョンをまとめて圧力鍋に突っ込んで加圧してみて出来たものにジザメリをまぶしました、というようなサウンドだと思っていて、バンドキッズの中でも根暗ボーイ達が愛してやまないだろう音使いがとにかくツボの1枚でした。

 

 

 

 

2.An Autumn For Crippled Children - The Long Goodbye

今年の隠し玉枠とでもいいましょうか、ポストブラックメタルという僕は全く明るくないカテゴリの1枚で、2010年デビューのオランダの3ピースバンドの通算5枚目になるアルバムとのこと。とりあえずPitchfolkに乗ったものは全部聞くようにしているんだけど、ブラックメタルの記事だけはスルーしている方って多いと思います。僕も実はそのクチで、なんだよブラックメタルって中学生かよと思いながら一応は全部試聴してみるのですが、このアルバムに関しては違った。のっけからひたすら気持ちいい。そう、このアルバムについて言えることいえば、とにかく爽快、の一言に尽きます。ボーカルはひたすらシャウトしてるし、ギターはむちゃくちゃに歪んでいるし、バスドラの鳴りすぎでベースがどこにいるかもわからないとかそういうレベルなんだけど、聞いてると兎に角スカッとする。いややっぱりディストーションギターって良いよな、コレだよコレ、とギターキッズの頃に戻ったような気持ちにさせてくれる1枚でよく聞いてました。なるべくデカい音で聞いて下さい。

 

 

 

1.Yumi Zouma - EP II

2014年にEP Iでデビューしたニュージーランドの3人組ポップバンドの2枚目のEP。EP Iも抜群に良かったのですがその年には未聴で、2015年に入り両方聞いて度肝を抜かれました。このEP IIはたった5曲しか入っていませんがどれも珠玉の1曲粒揃いで、ドリーム・ポップだなんて形容されることも多い彼らですがそれ以上にアーバンなシティ・ポップと言った感触を僕は覚えています。透明感の高い女声ボーカルが歌うひたすらキャッチーなメロディが、ゆったり踊れる控えめなBPMに乗って流れていく。ちょっと厚めでボヤッとしたシンセの和音に、生ピアノの音や基本的にブリッジミュートのプリプリした音色のギターやアクセントとして非常にニクいタイミングで挿し込まれる。EPなんでここでリスティングするのはちょっと違うのかもなあとかも思ったりもしましたが、そんな些細な拘りなんてぶっ飛ばすような完成度の高さだと今聞き直して感じ入っております。仕事で来日行けなかったことを後悔。

 

 

 

 

雑感

 もうちょっと時間をかけて色々掘りたい、2015年はもう本当になんとか新譜のリリースに数ヶ月遅れでキャッチアップしていくので精一杯といった感じで、昔の音楽も並行して掘り下げていくということが出来なかったので、非常に満足度は低い。2016年は本当に頑張りたいけど、よく考えたらもう3分の1が終わってる状況で新譜全く聞いてないので、既に周回遅れ感あるけど、頑張りたい。