僕として僕は行く。

旧・躁転航路

リビドーと集中力

 いきなりですが性欲の話をすると、性欲はなるべく溜めたほうがいいというのが最近の個人的な経験的な研究成果で、それはなんでかっていうと、そのほうが他者を求めていく力みたいなのができてくるからです。あくまで個人的な感覚なのでみなさんにも応用可能なのかどうかは知りません。他者を求める欲求や動機付けみたいなのが根本的に弱い自分のような人間は、そういった動物的なところに働きかけていくのがベストだということです。

 このメソッドを発見したのは実験的な試みからで、ギターを練習するのがだるい期間が続いたときに、自分の報酬系を操作して、ギターを弾いているとすぐにリターンがあるのだと脳みそに学習させたら、ギターをもっと触るようになるんじゃないかと考えて、エロ動画を見ながらギターを弾けば良いのではないかと思い試みたことに端を発しています。

 なんでエロ動画を見るのか、他にも報酬的なものはあるだろうっていう話ですけど、たとえば何かを食べる、とすると、それはまあお金がかかるし、だいたいそんなにグルメなほうじゃない、あとギター弾く度に飯くってたら力士ぐらいのサイズ感になる、ボーカルギターが力士のバンド、おもしろいけど、ちょっと自分の目指している方向性とは違うのでこれは却下されました。あと、3大欲求でいうなら、いま性欲と食欲がでたから、あとなんだ、睡眠欲か。ギター弾いたら寝ても良いみたいなスタイルにすると、多分ギター弾きながら寝るので意味ない。3大欲求の配分がほぼ睡眠欲に全振りされていて寝過ぎることにストレスを感じるぐらいの自分にはこれはよくない。ということで消去法的に性欲が残った。まあ、そもそも、食欲も睡眠欲も、それを感じているときには解消しないと体調的な問題が現れたりしますが、性欲だけは無限に溜まってもこれといって問題はない。いや知りません。このメソッドを信じたみなさんがめちゃくちゃ性欲を貯めこんで痴漢とかしても私は知りませんし責任はとりません。自らの責任において司法による裁きを受けてください。少なくとも僕の場合は、性欲は溜まっても、即座に解消を求められることはありません。せいぜい淫夢を見る機会が増えるぐらいです。

 そもそもギターを弾くこと自体に報酬がない、というか、楽しいのでなければ、根本的にギター向いてないのでは、というふうな声もあるだろうけど、それはもう全う過ぎる指摘で、僕はギターに向いてないのだとよく思うのだけれど、まあギターしか弾けないし、ポピュラー音楽をやろうと思うとやっぱりギターが一番便利なのだと思います。あと、お前には3大欲求しかないのか、自己実現の五段階説を唱えたマズローも失笑してはるわ、と思われる方もいるでしょうけど、それもまたかなり全うな指摘で、マズロー的にいくと、人間の欲求は、生理的欲求(=ここでいう3大欲求)→ 安全欲求 → 社会的欲求 → 尊厳欲求 → 自己実現欲求へと昇華されていくはずだっていう話なんですけど、僕は、生理的欲求と自己実現欲求ぐらいしかそもそも持ってなくて、しかもそれがゴチャゴチャに入り乱れてるというタイプなので、こうするより他ない。

 そもそも、性欲というと、生理的欲求の最たるものだという感じがするけど、まあそれも一面事実として、でも単に生理的な欲求なだけかというとおそらくそうではないなと思っています。なんというか、生理的な欲求の次元としての性欲と、社会的な欲求としての性欲、そして自己実現欲求としての性欲みたいなのがあって、これらが互いに入り混じって、フロイトの言うリビドーのようなものを織り成していると僕は思っています。フロイトのリビドーというアイデア、これはおそらくニーチェ力への意志の彼なりの受容なのだろうでしょうけど、まあそのアイデアそのものは良かった。そしてそのアイデアを用いて、リビドーを中心に世界を見てみると、ある種一貫性のあるストーリーが作れることに気付いた。ここまでは間違いはなかったかなと僕としては思っているのですが、彼の失敗はここからで、そのリビドー的ストーリーが、他のストーリーよりも特権的だと考えてしまったところで、それは解釈のバリエーションのうちの1つに過ぎないのに、それで人を治療できると考えてしまった。

 まあこれ以上言うとひたすらあとは精神分析の悪口が続くだけなのでやめておくとします。それは本来の主旨に反するので。まあ、この何かを為そうとするときにひたすら性欲を貯めるというメソッドですが、よく考えると、ボクサーとかもやってた。ボクサーも、試合の一ヶ月ぐらい前からセックスしてはならないみたいな話を聞いたことがある。欲求みたいなのを意図的に貯めこんで、他のものに転化するというメソッド、案外普遍的なのかもしれない。ということで、結論としては、やるべきことがあるのに続かない人はみなセックスのし過ぎです。セックスをやめましょう。自慰ももちろんいけません。今日より、やるべきことを投げ出しているすべての人々はセックスないし自慰のし過ぎの人間としてみなすことにします。これを読んでいるみなさんも十中八九そういう人々でしょうから、欲求を煽るだけ煽って、それを全部やるべきことへの集中力に転化するべきです。ブログなんか読んでる暇はありません。