僕として僕は行く。

旧・躁転航路

5月27日、13時

電車はどこへ行くのだろう 君を乗せてどこへ行く
武蔵野 銀河 天の川 二つの鼓動が揺れてる
30分 30分 30分だけ

祈りはどこへ行くのだろう あの星はどこへ消えただろう
太陽はまた昇るのだろう いろいろなことを考えるのも
30分 30分 30分だけ

永遠を信じた彼女や うつむいてばかりの彼にも
許される日が来るのだろう 一瞬の夢に出会えるのは
30分 30分 30分だけ
30分 30分 30分だけ

(『無までの30分間』/andymori

今日、つい先刻、andymoriが解散を発表したと、僕のタイムラインに流れてきた。しばらくすると、また別のニュースが僕のタイムラインに流れてきた。

 

大阪市北区天満2のマンション一室で遺体で見つかった女性と幼児について、遺体の状態などから、先に幼児が死亡した可能性が高いことが捜査関係者への取材で分かった。母親とみられる女性はその後、間もなく亡くなったとみられる。府警天満署は室内の身分証などから、住人の井上充代さん(28)=職業不詳=と息子の瑠海(るい)ちゃん(3)と見て、死亡の経緯などを調べている。

 捜査関係者によると、女性の遺体はミイラ化し、幼児の遺体はより腐敗が進み、一部が白骨化していた。また、幼児の上半身にはタオルや毛布があり、女性が掛けたとみられる。司法解剖の結果、2人の死亡時期は今年2月ごろとされたが、先に幼児が亡くなったとみられるという。

 室内には僅かな生活用品があったが、冷蔵庫がなく、食料もほとんどなかった。遺体発見時、水道は使える状態だったが、電気は止められており、同署は餓死した可能性もあると見ている。

大阪・北区のマンション腐乱遺体:幼児の遺体に毛布 母、死亡前にかける?

 

 もう息も絶え絶えの我が子に毛布をかけてあげる時の、お母さんの気持ちを考えると、僕は、もう何を考えればいいのかわからくなった。揺れていた二つの鼓動は、少しずつ鼓動の感覚を遅めながら、やがてひとつが祈りにかわり、そしてもうひとつが祈りになった。祈りはどこに消えるのだろう。あの星はどこへ消えたのだろう。太陽はまた登るのだろう。最後に何を考えたのだろう。僕は、何を考えればいいのだろう。僕は彼女たちの、一瞬の夢と、出会うことができるのだろうか。歩き続ければ。考え続ければ。語り続ければ。思い続ければ。小山田壮平のように、そしてandymoriのように、旅に出ていれば。

 

ああ こんな夕暮れの空の下 愛を愛を歌う
ただ 君のことを想って 愛を愛を歌う
そうだ僕は臆病者だ 旅に出よう 歌いながら

旅に出よう 旅に出よう 旅に出よう 歌いながら

つまずいて 転んで起きて また愛を愛を歌う
はしゃいだ後 悲しくなって また愛を愛を歌う
愛を愛を愛を愛を....

目を閉じて 僕はいなくなるんだ
ただ風の音を聞くだけの行為になるんだ
旅に出よう 頭、ハート、臍へと下りて行こう

旅に出よう 旅に出よう 旅に出よう 歌いながら
旅に出よう 旅に出よう 旅に出よう 歌いながら

旅に出よう....

(『インナージャーニー』/andymori