僕として僕は行く。

旧・躁転航路

怪人二面相VS怪人百面相

 今日の六限の授業のとき、通路を挟んで隣に座った女の子がめちゃくちゃタイプで、90分間ずっと声をかけるべきか、そしてもしかけるならどんな風にかけるかの予行演習までやってた。そしてそんな風にそわそわして過ごす90分間の終わりを告げるブザーが大教室に鳴り響く。よし行くぞ、俺は今日男になる!手にはBumpを起動させたiPhoneをスタンバイ、予行演習も十分、よほど想定外の返答でもない限り対応できる!俺ならできる!よし、やってやる!

 そして荷物をまとめて席を立つと彼女もちょうど同じようにこちらを向いた。・・・あれ、全然タイプじゃない。横顔はあんなにモロタイプ100パーセントだったのに、正面から見るとアレ・・・言うほどタイプじゃないなコレ・・・。・・・よっしゃ、家帰って飯くって寝るか!そしてなぜか清々しい気持ちになった僕は財布から買ったばかりの定期を取り出して家路を急いだ。