僕として僕は行く。

旧・躁転航路

「俺バカでも実が出るかなって思うやつもいるんだぜ」

 そろそろ帰ろうと思ったけど帰っても特にやる事はないし、今やっていることと特に変わらないなと思ったのでまだ帰らないことになった。でも、いずれ帰るにしても、帰ってどうすんねやろという気持ちは拭えないままだ。帰って晩ご飯食べて、それからどうする?晩ご飯食べたあと剤を投入してお風呂入ってそれでそれからどうする?勉強する?勉強してどうなる?ギターを弾く?弾いてどうなる? こんな風に、何をやっていても何に繋がるかわからなくなって目的を完全に見失ってしまい、そのままの勢いでそもそも人生の意味とか目的って何なんだ?とかいう究極のところまですぐに行ってしまってだいたいどうしようも無い感じになることがよくある。人生がなかなか次のステージに進まない。ずっと同じところをグルグル周り続けているような感じがして、もう全部うわーガッシャーンって感じにぶん投げたくなる。

 それでも僕は、淡々と種を蒔いて水をやり続ける他ない。新しい種はすぐには芽が出ない。いま僕は僕という作物を育て直すことに決めたばかりだった。僕は本来的には、どんな風にだって実をつけることが出来るのだから、焦らず、じっくりと、水をやりながら、どんな実をつけたいか考えていけばいいのだ。どんな風になるのかわからない、宙ぶらりんのまま生きていくのも悪くはないだろう?と、言い聞かせながら根をおろし、太陽があるように思うほうに向かって、伸びたいように伸びればいい。それに、常に実をつけたままの作物なんてないんだ。どんな形でもいい、実れ、実れと祈りながら、その局面局面に必要だと思うことを、しっかりやり続ければそれでいいはずなんだ。