「ケガレ」 読んだ
- 作者: 波平恵美子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/13
- メディア: 文庫
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タイトルだけ見れば、なんかの小説っぽいけど、そういうわけではなくて民俗学の文庫本です。講談社学術文庫なので、学術的にも結構深くまで書いてある。で、このタイミングでなんで民俗学なのかっていうと、実はそれなりにテーマをもって読んでて、ずっと「これってよくもわるくもすげえ日本的だよなあ」とか思ったり、もしくはそう言われてる現象とか、精神性の類、そういったものは果たして単なる感覚でしかないのか、もしくは学術的に根拠のあることなのか、っていうことが知りたくて、民俗学にもちょっと手を伸ばすようになってきたわけです。まあ、アメリカ人の間でたびたび自分たちのルーツとは何ぞやみたいなのを求めるのがブームになりますけど、それに近い。日本的なものとは一体何ぞや、という。こういうのがわかれば、たとえば日本ってほんとにゴミ!みたいな一方的に断罪するような物言いじゃなくて、あー、これは民俗学でいうところのこういう流れから来てるんだよなあ、きっと、みたいな、まあある程度の理解を示したような、中立的というか、第三者的な見方が出来るようになるかな、と。
幸い、そういうテーマに沿って読む題材として民俗学っていうのはすごく便利だと思ったけど、反面、結構危ういな、と思った。たとえば、精神分析も、日常の営為を精神分析的に、まあある種、フロイトの作った物語をベースに体系化し直す、当てはめ直すっていうシステムなんだけれど、民俗学を使って僕がやろうとしていることってそれに近いのかな、と思った。たとえば、日本人は閉鎖的な気質があります。それはなんで?民俗学的に、外部者=客人か超越的な悪魔か、として考えてきたからです、というだけじゃ、ちょっと乱暴なのかな、と思うし、そもそもこの本にも書いてあった通り、外部者を恐れる伝統的な信仰のシステム自体は何も日本特有のものじゃない。だから、あまり普遍的なものだと思ってむりくり振り回せるものじゃないな、と思った。
で、この本を読むことで、どういうことがしたかったっていうのは何となく知らせる価値があるかなと思ってブログにも書いてるんだけど、こっから下は自分用の要約とかメモでしかないので、特に読み手のこととかは考えずに書きます。と思ったけど、どうなんだろ。Evernoteに書いてたらすむ話の気がするので、やっぱりEvernoteでやっときます。民俗学系の本を多少読んで、自分なりの体系が出てきた時に、ここに書くかもしんないけど、それはまた、別の時に。