僕として僕は行く。

旧・躁転航路

吉三

 映画・文学・漫画・その他感性に訴えかける諸々に関して。これらはなんというか、鑑賞後に「~である!」みたいに整然とした結論を出せないんだけど、それがとても良いのだと最近特に思う。何回読んでも、何か言いたくなるんだけど何といってよいのかわからないままむーんという感じにさせられる。そのむず痒さゆえにまた読ませれてしまう。むーん、これじゃ作者の思うツボだ!けしからんことである。しかしそうだとわかっていてもそれでもまたつい紐解いてしまう。まさにパブロフの犬だ。あと、今思ったことで、まあ関係ないことなんだけど、パブロフの犬ってなんか語感が可愛くないと思う。パブロフさん、東欧系もしくはロシア系のヒゲ面の雰囲気優しそうなおじさまなんだけど、それは表の顔で実はマッドサイエンティストであるみたいなイメージを抱かされてこわい。だから、吉三の犬とかのほうがかわいくて良いと思う。吉三おじいさんに名前を呼ばれた途端よだれが止まらなくなるどうしようもないパグみたいなのをイメージできるし、こっちのほうがニュアンスエアリーでしっくり来る。私は、吉三の犬です。